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不確定要素を正解にするため、自身に足りないものを考え飛び込む勇気を持つ

キッカケインタビュー

2023.07.19

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憧れていたファッション誌の編集部で大学生時代から働くも、卒業直前に編集部がなくなり無職に。その後人材大手のディップ株式会社に中途入社してキャリアを積んだのち、たまたま目にしたカンブリア宮殿で特集されていたグリー株式会社で成長産業で働く同世代の志の高さに感化され、転職を決意。成長市場で広告やマーケティングなどを経験してから、個人の実力を試したく株式会社Schooへ。マーケティング組織の立ち上げをミッションとしてスタートアップで取締役CMOとしてキャリアを経た後に、auコマース&ライフ株式会社に転職。au PAY マーケットのプロモーションや、ブランディングなどの経験を積み、2021年5月に独立しFam株式会社を設立した安藤さんに、お話を伺いました。

「ヒトはキッカケがあれば必ず変われる」生き方・働き方を応援するキッカケインタビュー。
第8回目の今回は、Fam株式会社で代表取締役を務めている安藤 裕也さんにお話を伺いました。

波乱万丈の社会人人生を送ってきた安藤さん。憧れていたファッション誌の編集部で学生時代から働くも、卒業直前に編集部がなくなり無職に。その後人材大手のディップ株式会社で約5年間キャリアを積んだのち、グリー株式会社に転職。それから株式会社Schooで働いたあとは、auコマース&ライフ株式会社へ。2021年5月に独立し、Fam株式会社を設立して今に至ります。常に成長を求め、自身に足りないスキルを身につけて、現在それらを活かしたサービスを提供している安藤さんに、転職や独立の「キッカケ」を語っていただきました。
安藤 裕也さん

安藤 裕也さん

Fam株式会社
代表取締役
憧れていたファッション誌の編集部で学生時代から働くも、2005年の大学卒業直前に編集部がなくなり無職に。同年5月に人材大手のディップ株式会社にて関西、関東合わせて約5年間営業マネージャーに従事する。その後、グリー株式会社に転職し、3rdパーティ向け広告組織の立ち上げや、プロモーションの責任者を経て、2015年に株式会社Schooへ。マーケティング組織の立ち上げから、最終的には取締役CMOとしてスタートアップキャリアを経た後に、auコマース&ライフ株式会社に転職。au PAY マーケットのプロモーション、ブランディングなどの経験を積み、2021年5月に独立しFam株式会社を設立。

学生時代から働いていた編集部がなくなり、無職からのスタート

千葉祐大(以下 千葉)

安藤さん、本日はよろしくお願いします。安藤さんは波乱万丈な社会人人生を送られてきたと伺いましたが、まずはどこからキャリアをスタートさせたかお話しいただけますか?

安藤裕也さん(以下 安藤さん)

よろしくお願いいたします。僕は「ファッション」と「雑誌が好きだった」ので、ファッション誌の編集者になりたいと考え、大学在学中からファッション誌の編集部で働いていました。当時は先輩編集部員と、大学3年生の僕と同じタイミングで入社した新人2人という3名体制でのスタートでした。今では怒られそうですが、編集部に泊まり込んで、お店の取材や街でスナップをして記事を書く仕事をずっと繰り返していました。

千葉

ありがとうございます。ということは、そのまま新卒で編集部員として働き始めたのでしょうか?

安藤さん

それがですね、新卒でそこに入社できなかったんですよ。忘れもしない2005年2月21日、撮影のために大量の洋服をリースして編集部に帰ってきたら集合がかかり、「雑誌の権利が売却されたから、編集部は今月号で解散する」と言われました。突然の出来事に、皆呆気に取られていましたね。そのタイミングでは売却先の会社に移るか、別の仕事を探すかしなければなりませんでしたが、僕はまだ大学生だったので売却先に受け入れてもらえるかわからず、自分で仕事を探すことにしたんです。大学の卒業式で皆晴れやかな顔をしているなか、僕はある意味清々しく内定先がない状態で出席していました笑。

千葉

笑ってしまって申し訳ないですが、めちゃくちゃおもしろいですね。いきなりキャリアについて考えなければならないきっかけが訪れてしまった。

その後はどちらの会社に就職されたのでしょうか?

安藤さん

結局、2005年5月に人材大手のディップ株式会社に中途社員という形で入社しました。文章を書くことが好きだったので、最初はフリーライターになろうと考えていたんですが、父親に止められまして。「頼むから1回は、土日祝日が休みの一般的企業に勤めてくれ。3年間だけでいいから」と言われ、勤め先を探していたんです。

貯金も全然なかったので、とにかく僕を拾ってくれるならどこでも働きますと主張して就活をしていました。そのなかでディップに巡り合い、当時大阪の支店長だった方に「喋れそうだけど、営業やる気ある?」と聞かれ、「あります!」と答えて内定をいただきました。本当に今でも感謝しています。

千葉

すごいですね。読者は30〜40代の方がメインですが、ぜひ20代の方にも聞いてほしいお話です。

テレアポの成功体験から、営業の楽しさを実感

千葉

晴れて正社員になれたディップ株式会社では、どのような仕事をされていたのでしょうか?

安藤さん

僕は年齢は新卒の歳でしたが、中途入社扱いだったので、入社当日からすぐに仕事が始まりました。つい最近まで同じ大学生だった方々は営業のロールプレイングを受けていましたが、僕は午前中に経費精算など事務的なことを教えてもらった後は、午後からすぐにテレアポをすることになったんです。

当時はインターネットの求人広告もそこまで一般的ではなく、まだ紙媒体が強い時代でした。「タウンワーク」や「フロムエー」などの冊子がデスクに置かれて、まだ誰も当たっていない企業をピックアップして電話をかけることになったんです。座ったときの顔の位置よりも高く冊子が積まれて、圧倒されましたね。

そのなかで、感動した出来事がありました。ドキドキしながら初めての電話をかけたら、そこで初めてアポイントが取れたんです。兵庫県の尼崎市にある工場で、当時50〜60代くらいの担当者の方が「若い子が電話をしてくるのは、なんかいいよね」と言ってくれました。当時の僕が優れていたわけではなく、無我夢中で話していたので商品説明も大してできていなかったと思うんです。そんななかで会ってくれて、そして初受注もこの企業様なんですが、その場で買ってもらうことができて。営業訪問から帰ってくると、周りのメンバーから拍手が起こって、嬉しすぎて。ありがたいし、営業って楽しいなと思った瞬間でした。

千葉

素晴らしい体験ですね。ありがとうございます。

お父様から3年は会社で働くようにと言われたとのことですが、楽しい営業はどのくらい続けられたのでしょうか?

安藤さん

ちょうど期限となる3年を迎えるタイミングで、もう営業がおもしろくなっていたんですよね。営業のほかにマネジメントを任せてもらうなど、会社は刺激がある環境を自分に与えてくれていたんです。リーマンショックがあった2008年、当時、全国から本社に営業を集めるタイミングで声がかかり、東京のマーケットでもお仕事をさせていただきました。結局、ディップでは5年半働きましたね。

たまたま見たテレビ番組の特集で衝撃を受け、グリーへ

5年半働いたディップから次の会社に移ろうと思ったきっかけは、何だったのでしょうか?

安藤さん

ディップでは課長職で働いたり、2つの課を兼務させてもらったりして、頼ってもらえる環境を用意していただいたので、とても感謝しています。しかし、東京に出てからすごい人たちがたくさんいるんじゃないかと漠然と思うようになり、自分の可能性がどれくらいあるのか確かめたくなったんですよね。

そんなとき、たまたま見ていた「カンブリア宮殿」というテレビ番組でグリー株式会社が特集されていたんです。僕と同世代の人たちが超巨大なソーシャルゲームのマーケットをつくっていく、時価総額は何千億というのを見て、衝撃が走りました。ディップの本社も六本木にありますが、近所にこんなにすごい人たちがいるんだと思うといてもたってもいられなくなって、グリーに転職したいと考えました。

ディップでも本当にたくさんの仕事を任せてもらえましたが、自分は井の中の蛙なんじゃないかという思いがあったんです。グリーには成長を求め続ける人がいろいろな産業から飛び込んでいたので、志や感性が合いそうな方々と一緒に働いてみたいと考え転職を決めました。

千葉

ありがとうございます。無事グリーの内定をいただいてからは、どのような仕事をされたのでしょうか?

安藤さん

当時グリーはプラットフォームを提供するビジネスモデルを展開していました。僕が転職したのはプラットフォーム上でゲームを提供してビジネスするベンダーさん向けのプロモーション支援チームを新たに作るタイミングでした。僕はインターネット求人広告に携わっていた経験を活かして、立ち上げメンバーとしてジョインした形です。

当時はGREEのプラットフォームに非常に多くの開発会社さんがゲームアプリを置いてビジネスをしていたので、僕もほぼ全てといっていいくらい多くのゲーム会社さんに足を運びました。その後はサードパーティと呼ばれる外部の開発会社さんだけでなく、内製タイトルも含めたグリー自体の最適化、プロモーションなどもさせていただきました。規模が大きかったため変化のスピードも速く、成長できた感覚がありましたね。

千葉

ありがとうございます。当時のグリーは、まさに安藤さんがおっしゃったように能力を持った人たちが集まって荒波を乗り越えようというタイミングだったのですね。

自分が与えられる影響の大きさを知るため、スタートアップに飛び込む

千葉

2010年にグリーへ転職されて、どのくらいの間いらっしゃったのでしょうか?

安藤さん

2015年に次の会社へ転職しているので、グリーにいたのは5年ほどですね。本当に魅力的な仕事や上司、同僚に恵まれましたが、グリーという大きな看板があって優秀な人材が揃っているからこそ、ゲームがヒットしても自分の力がどの程度作用したのかがわかりにくい部分がありました。これは僕じゃなくてもできるんじゃないか、僕がどのくらい影響を及ぼしたのか知りたい。そう考え、別の環境で挑戦してみたい想いが強くなったんです。

次は大きな企業ではなく、未整備ではあるものの志の高い仲間がいる会社でマーケティングがしたいと思いました。そうして転職先を探しているとき、ユーザーが参加しながら学べる学習プラットフォームを提供している株式会社Schooにお声がけいただいたんです。当時のSchooはマーケティング担当が大学生インターンの2人のみでそれ以外は誰もいない状態だったので、やりがいがあると思いました。動画にも興味が湧き、今までとは違う形のマーケティングができそうだと感じてSchooに入社することにしたんです。

千葉

なるほど。大企業からスタートアップへの転職は勇気が必要だったのではと思いますが、不安はなかったのでしょうか?

安藤さん

家族が後押ししてくれたから、飛び込めたと思っています。僕は田舎出身なので「長男は田舎に帰るべき」と親戚から言われることもありましたが、両親が「頑張っている姿を見るほうが嬉しいから好きなことをやれ」と言ってくれたんですよね。あと、僕は3人兄弟の長男なんですが、僕が18歳の大学生のときに次男が事故で亡くなっているんです。それで2人分生きなければいけないと考えがずっとあって。だからこそ人生の節目となる選択肢が目の前に現れた時に、あえて大変そうな道を選ぶようにしていて、その不確定要素を正解にしようという勇気が持てている感じがしますね。

千葉

ありがとうございます。大学時代からの価値観が土台にありつつ、いろいろなきっかけを積み重ねてらっしゃるのだなと聞いていて思いました。

Schooに転職してからは、やはり大企業とスタートアップの違いを感じられたのでしょうか?

安藤さん

そうですね。数千人いる会社から当時20人ほどの会社に転職したので、全てが違いました。転職後は、やったことがないことに出会う機会が多かったです。仕事の担当者が決まっておらず、自分でやったりチームの子たちと手分けしてやったりすることが増えたため、全社一丸となって働く機会が増え連帯感が出ましたね。全社のマーケティングやブランディングのほか、役員になってからは会社の経営にも携わることができ、自分がやったことのなかった領域を任せてもらえた期間だったと思います。

千葉

これまでも多様な経験を積んでこられましたが、Schooでもさらに未経験の領域にタッチできたのですね。

Schooで働いたあとは、さらに転職されていますね。

安藤さん

はい。Schooで会社がどう動くか見えてきたところで、まだやっていないことって何があるんだろうと考えるようになったんです。そこで、日本を代表するような大企業の社会的インパクトがどんなものなのか興味があったこと、ECビジネスのマーケティングをやったことがなく、かつ自分に不足しているスキルを取りに行くためにauコマース&ライフ株式会社へ転職しました。

転職後は三大キャリアであるKDDIの子会社で、KDDIの社員の皆さんとがっつり組んでお仕事をしていました。それまで自分がベンチャーやスタートアップで得たものとはまた違う感覚を持っている方がたくさんいて、どのようにして彼らと協業するかをすごく考え模索していく日々でしたね。

これまでの経験を総集結して、周りの人の夢を叶える支援がしたい

千葉

それから、2021年5月に独立されたのですね。

安藤さん

はい。インフラを担う会社の方とお仕事をして何百万人に向けてサービスを打ち出したうえで、その影響や、規模の大きなビジネスを目の当たりにしましたし、非常にいい経験をさせてもらったと思っています。当時の仕事も子会社と本社間や、人と人の間のコミュニケーションを取ってそこで困っていたり行き詰まったりしているところの調整に入ることが多かったんです。その経験から、自分はどちらかといえば広範囲でたくさんの方々とビジネスをするより、自分の半径5メートルくらいの人たちと顔を突き合わせながら仕事がしたいと思いました。自分のこれまでの経験やノウハウを活かして、周りの人の夢を叶える支援ができないかなと考え、マーケティングやブランディングのコンサルティングをするFam株式会社を立ち上げたんです。

コンサルティングと言ってはいますが、お堅い感じではなく、どちらかというとパートナーや伴走者に近いと思っています。Famという言葉は「家族」のスラングで、家族やマブダチのようなテンションを込めた人たちと一緒に仕事ができるような会社にしたくて。今までやってきたことを総集結してお仕事をしようと思ったのが、独立のきっかけですね。

千葉

ありがとうございます。それでは最後に、現在Famで行われている仕事内容や読者の方へのメッセージをお願いします。

安藤さん

弊社はマーケティングやブランディングのコンサルティングのほか、人の育成のために研修も行っています。わかりにくいことをわかりやすく伝えることが苦手ではないので、弊社が入ることでわからないことに対する理解が進んだり事業の解像度が上がったりして、実行しやすくなるようお手伝いをしています。

いろいろな会社さんから、自社の企業理念や組織のカルチャーを言語化してほしいとお問い合わせいただいているので、精力的に動いていますね。代表者さんなど想いを言語化したい方にインタビューさせていただき、それをビジュアライズしたりホームページや各種販促物に落とし込んだりさせていただいているところです。

ぜひ弊社のホームページをご覧いただき、興味をもたれましたらお気軽にご相談いただければと思います。

千葉

安藤さんは大企業もスタートアップも経験し、現在は独立されています。行き当たりばったりではなく、そのときどうすべきかをご自身で考えて転職をされていた点は、特に読者の方の学びになるのではないでしょうか。

安藤さん、幅広い世代の方の参考になるキャリアストーリーをありがとうございました。

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