icon-sns-youtube icon-sns-facebook icon-sns-twitter icon-sns-instagram icon-sns-line icon-sns-tiktok icon-sns-etc
SEARCH

営業からPMへ。予想外のジョブチェンジから強みを活かせる仕事が見つかることもある

キッカケインタビュー

2023.09.13

SHARE WITH

  • facebook
  • twitter
  • LINE

新卒で株式会社Speeeに入社し、SEOコンサルティング事業の新規営業を経験したのち営業企画へ。その後クロスマート株式会社に転職し、再び営業に従事する。半年後プロダクトマネージャーに転向し、自身の強みを活かしてキャリアを形成。自身ができることに一生懸命取り組み、積極的に手を挙げて経験を積んできた杉原さんにお話を伺いました。

「ヒトはキッカケがあれば必ず変われる」生き方・働き方を応援するキッカケインタビュー。
第15回目の今回は、クロスマート株式会社でプロダクトマネージャーを務めている杉原 達也さんにお話を伺いました。

新卒で株式会社Speeeに入社し、営業を経験してから営業企画に従事した杉原さん。先を見据えた会社選びや転職を経験した一方で、予想外の出来事でジョブチェンジをした結果、自身に向いている職種を見つけて活躍されています。杉原さんが営業から職種を変えた「キッカケ」や、プロダクトマネージャーに向いている人の特徴について語っていただきました。
杉原 達也さん

杉原 達也さん

クロスマート株式会社 執行役員
2016年、新卒で株式会社Speeeに入社。SEOコンサルティング事業の新規営業に2年従事したのち、営業企画へ。2020年1月、クロスマート株式会社に転職して再び営業となる。同年7月、プロダクトマネージャーに転向。2021年4月にXTechグループ全体でのBest Manager Awardにノミネートされ、2022年4月にも再度ノミネートされる。2023年9月1日より執行役員VPoPに就任。

背伸びした環境を選んだ結果、8か月間売れず営業で苦労

千葉祐大(以下 千葉)

杉原さん、本日はよろしくお願いします。杉原さんは2016年に新卒で株式会社Speeeに入社されていますが、Speeeを選んだ理由を伺ってもよろしいですか?

杉原達也さん(以下 杉原さん)

よろしくお願いいたします。当時の自分にとって背伸びをしなければならない環境だったというのがSpeeeを選んだ決め手でしたが、そこに辿り着くまでにいろいろな選択軸がありました。

当時の僕は2020年頃に景気が悪くなると考えていて、安定志向だったんです。大学生の頃は串カツ屋のアルバイトしか就業経験がなかったので、その状態から2020年に事業を作れるレベルになるまでストレッチをかけたいと考えました。経営者相手のBtoBで、営業難易度の高い無形の商材を販売できる力をつけるのがいいと思い、IT・人材・コンサルの会社をいろいろと見ていたんです。

3〜5社に絞ったなかで現場の方々の平均値が1番高くみな尊敬できる方ばかりで、自分からすれば良くも悪くも居心地が悪くて背伸びしなければならない環境だったのがSpeeeだったので、入社を決めました。

千葉

ありがとうございます。当時から成長意欲が高かったのですね。安定志向が背景にあるというのは、初めて聞きました。

杉原さん

当時は大きな企業がリストラを始めていた時期だったので、親はインフラ系に行ってほしかったようですね。ただ、僕自身は変化し続けるほうが1番安定するんじゃないかと思ったんです。とはいえ新卒でスタートアップに飛び込む勇気もなかったので、ミドルベンチャーなども見ていましたね。

千葉

そうして入社したSpeeeでは、まず営業職からスタートされたのですよね。当時の苦労話を教えてください。

杉原さん

自分にとって居心地が悪く背伸びした環境を選んだら、案の定本当にダメだったんですよね。当時の商材はSEOコンサルティングで、Goole検索をしたときにお客様のサイトが上位表示されるためのノウハウをコンサルティングするものでした。リストを作ってテレアポをして、先輩に商談へ連れて行ってもらいクロージングをする流れだったんですが、4月に入社したにもかかわらず僕の初受注は12月21日。8か月間、何も売れていなかったんです。

マーケターの方が相手でしたが、数字を武器にしづらいという商材の性質もありなかなか売れませんでした。次第に売れないものを売らされているんじゃないかと考えるようになり、とにかくテレアポの数だけ帳尻を合わせるようにしていましたね。

千葉

僕も働いていたからわかりますが、確かにSpeeeの商材は売るのが難しくもありますよね。8か月後に初めて売れたときは、何かきっかけがあったのでしょうか?

杉原さん

銀の弾丸があったわけではなく、それまでの積み重ねが報われた形でしたね。一生懸命であることは自分の強みだったので、とにかく先輩の力を借りながらきちんと準備して壁打ちをしてという一連の行動が報われたのが、最初の1件だったと思います。

データ集計の実績が買われ営業企画へ

千葉

営業職を2年経験してから企画職に職種を変えられていますが、このきっかけは何かありましたか?

杉原さん

営業として売れるようになるまでは、売れないものを売らされているとずっと思っていました。しかし、商材がフィットしないお客様を受注してしまいすぐ解約になるかもしれないと考えていたとき、既存営業の担当者が期待を超えるサービスを提供していたんです。それに僕自身が感動したんですよね。

そのお客様は広報の文脈でCSRを広めていきたい方だったので、ドンピシャでSEOがハマるわけではありませんでした。しかし、過去のIRを全部読んでそれをページ化し構造を提案するなど、サービスサイドの担当者が自分の想像を遥かに超える丁寧な対応をしていたんです。僕はそれまでSEOコンサルティングについてサービス内容は知っているものの、手触り感のないものを売っている感覚がありました。それがここまで具体的に踏み込んで提案する良いサービスだと思えたことで、数値に現れないノウハウの提供や体制の構築などを介在価値と思えるようになったのが転機のひとつでした。

千葉

良いエピソードですね。自分が信じられるものを売れるかどうかは、大切なポイントだと思います。

杉原さん

新規営業から営業企画にポジションが変わったのは、当時未上場だったSpeeeが上場を見据えていたであろうタイミングでした。データはあるものの上手く活用できていないので、営業の高度化(データを用いた予測精度の向上)をやっていく人が必要になり僕が選ばれたんです。

僕が選ばれたのは、営業時代に自発的にデータ集計をしていたことがきっかけでした。僕はテレアポの量をこなすようにしていましたが、あまり好きではなかったんです。でも、自分はきちんとやっているというアピールはしたかった。そこで、自分の各フェーズの移行率のようなものを全部集計していたんです。ただ、自分の数字を可視化するだけでは他と比べてどうなのかがわかりません。そのため、他の人のデータも全部集計しました。

データを集計する仕組みは一応ありましたが、当時はデータが完成されているかどうかがチームの運営方針によって異なりました。そのため、まず自分のチームに関しては集計したデータを元に改善するようになり、自分のチームだけできても仕方がないので他のチームの分も集計するようになったんです。各営業組織の個人別の成績が、なぜか僕の手元でだけ完成している状況を作り出しました。そして組織として営業企画の部署を作って営業の生産性を上げようとなったときに、僕が必要なデータを持っていますと提示できたので、営業企画立ち上げのメンバーとして選任いただきました。

最初は自分が仕事をしている証明のために数値を集計していましたが、それが意外と組織の役に立った形です。信じてやっていると、意外と報われたというエピソードですね。

千葉

いいですね。若くてまだできることが少ないときは、やれることを全力でやっていくことで信頼残高が積み重なっていきます。会社内でも社会でも、大切なことですよね。

事業に近いポジションで働きたい想いを強くし、スタートアップへ転職

千葉

2020年1月にSpeeeから別の会社へ転職されていますが、そのきっかけは何だったのでしょうか?

杉原さん

正直なところ、転職を決めたのはポジティブな理由だけではありませんでした。営業企画は新規営業よりは自分にフィットしたロールでしたが、自分がいずれ携わりたいと思っていた事業を作るポジションへ行くには、Speeeは優秀な人が多すぎました。僕はめちゃくちゃ器用なタイプでもないので、早く打席に立ったほうがいいと感じたんです。もう少し事業に近いレイヤーで失敗できる経験を積んだほうがいいと考えたのが、転職を決めた理由の1つです。

もう1つは、もっとわかりやすい課題の解決に携わりたいと思ったことですね。SEOコンサルティングは重要なものではありますが、マーケットでわかりやすい課題を解決しているかというと少し違うと思います。すごく良い環境で鍛えられましたが、もう少し課題に対して直接的にアプローチできるようなサービスやシステムに関わりたいと考えるようになりました。

千葉

ありがとうございます。杉原さんはきっとSpeeeに残っていても活躍されていたと思いますが、事業に携わりたいというご自身の想いを大切にして20代後半で転職を決意したというのは、これから初めての転職を考えている方にも刺さるエピソードだと感じました。

そしてクロスマート株式会社に転職されたのですね?

杉原さん

はい。事業に近いところで経験を積みたかったので、アーリーのスタートアップを中心に見ていきました。自分が持っているもので貢献できて、かつ役割を広げられそうなところをチェックしていたんです。

3社に絞って最終的にクロスマート株式会社に決めたのは、当時彼女だった奥さんに事業内容を1番イキイキと話せたからです。最初は営業職で入社する予定だったので、自社サービスをイキイキと話せたほうが売れるだろうという気持ちがありました。それで、2020年1月に転職した形です。

営業で信頼残高を積んだのち、予想外でPMとしてのキャリアがスタート

千葉

クロスマートに営業職として入社されて、まずどのような仕事をされたのでしょうか?

杉原さん

最初はフィールドセールスで、訪問営業をしていました。クロスマートは、飲食店とその仕入れ先である食品卸売業者向けの受発注システムを中心に提供しているSaaSの会社です。飲食店が問屋から仕入れる際、この令和の時代にもかかわらず電話やFAXが使われています。ある卸売業者には1日1,000件電話が来るような状況なので、そこをデータ化してLINEを使った発注システムを提供しています。

千葉

ありがとうございます。業界は変わりましたが再び営業をすることになり、いかがでしたか?

杉原さん

めちゃくちゃ売りやすかったですね。Speeeでの経験が活かせたと思います。もともとの顧客数が10社ほどでしたが、僕は入社月に4件売れました。サービス内容も価格もSpeee時代とは異なりますが、営業はポータブルスキルだと感じましたね。営業で結果を残しながらインターン生の面倒も見ていたので、早い段階で信頼残高を積めたと思います。

千葉

営業として順調にスタートを切れたのは、すごいですね。その後営業からプロダクトマネージャー(PM)に職種を変えられていますが、これはどのようなきっかけがあったのでしょうか?

杉原さん

クロスマートはXTech株式会社の子会社なんですが、ある日突然XTechの代表取締役である西條さんがクロスマートの社員全員を呼び、ミーティングを開催したんです。そこで、開発とビジネスが分断されている問題があり、西條さん自身がPMをやるとおっしゃったんです。

当時のクロスマートには正社員エンジニアは1人のみで、親会社から出向という形で開発者がいました。コミットはしてくれていましたが、少し掛け違いがあったのは事実です。西條さんがやるとおっしゃったんですが、当時は12〜13のグループ会社がありましたし、投資会社を含めると30社ほどあったので、絶対に回らないだろうと思ったんです。そこで「ポテンシャルで良ければやらせてください」とその場で伝え、僕のPMとしてのキャリアがスタートしました。

千葉

なるほど。確かに忙しいなかで現場に入っている西條さんに、そこまでやらせるわけにはいかない。だったら僕がやりますというのは、杉原さんらしいですね。もともとPMを目指していたわけではなく、本当に突然のミーティングがきっかけでキャリアがスタートしたのはおもしろいですね。

杉原さん

本当にそうですね。入社当時はどちらかといえば、ビジネス側全体を見られるようになろうと考えていたんです。SaaSの会社なので開発に関わることももちろんありましたが、そこを職種にするとは全く思っていなかったですね。

知的好奇心が旺盛で言語化できる人は、PMに向いている

千葉

PMとしてのキャリアを歩み始めて、最初は何から着手されたのでしょうか?

杉原さん

まずは、プロダクトマネージャーとは何かを知っている人に話を聞くところから始めました。社内はもちろん、他社の方にも話を聞いていましたね。実務では要望自体は大量にあったので、優先順位をつけてこんな感じにしてほしいですという資料をパワポで作るところから始めました。

千葉

なるほど。でも、Speeeで一緒に働いていたときから杉原さんは調整力が高いと思っていたので、PMに向いていますよね。

杉原さん

そうですね。結果的に、PMは自分にとても向いているなと思います。調整もドキュメントを書くのも嫌いじゃないですし、テキストコミュニケーションが好きなので上手くハマった感覚があります。

千葉

自ら志望したわけではなかったPMが結果的に自分向きだったのは、おもしろいですね。未経験から3年ほどPMをやってきた杉原さんが思う、PMに向いている人の特徴は何でしょうか?

杉原さん

PMに向いている人の特徴は、僕のなかで明確な答えがあります。それは、知的好奇心が旺盛な人ととにかく言語化できる人です。

PMは開発の話もしなければなりませんが、わからないことをわからないと聞いて理解をすり合わせることで信頼を得られた実感があります。最初はよくわからないカタカナもたくさん出てくるんですが、営業職の方は何となくノリでやり過ごしちゃうこともあるんですよね。そうではなく、「理解のために聞きたいんですが、それはこういうもので合っていますか?」と聞くことが大切です。違ったら教えてもらえますかと頼んで理解するのをずっと繰り返していると、この人はノリじゃなくてちゃんと考えてくれているんだと開発の方にも伝わります。

意外とエンジニアの方って、面倒見がいい人が多いんですよ。アウトプットはぶっきらぼうかもしれないけれど、頼られるのは嫌いじゃない方が多い。指示とか依頼ではなく、相談ベースで「こうしたいんですがどうすればいいですかね。ご意見を聞かせてください」というコミュニケーションを繰り返すことで、心を開いていただけた感覚があります。

千葉

これは金言ですね。台本にないようなことを聞いてもパッと答えられる、この言語化能力の高さも杉原さんがPMとして活躍されている証明だと思います。

それでは、最後にクロスマートの宣伝やメッセージがあればお願いします。

杉原さん

まずは、僕たちがやっていることに興味を持っていただけると嬉しいです。大量の紙や留守電などが残っている状況を打開していくので、社会課題の真ん中だと思っているんですよね。食品卸売業者は日本国内に5万5,000社いて飲食店も60万店舗あるので、最終的にはコスト構造をきちんと変えて生産性の高い業界にしていきたいと考えています。食品業界にそこまで興味はないけれど生産性を上げる仕事はいいなと思ったら、ぜひクロスマートと検索するか僕に連絡いただけると嬉しいですね。

千葉

素晴らしい。あと、事前の打ち合わせで聞いていましたが、クロスマートは正社員が内定承諾含めて50名いて1人も辞めていないというのもすごいですよね。創業から5年のスタートアップは離職も激しいイメージがありますが、本当に1人も辞めていないんですか?

杉原さん

そうですね。産休でお休みしている方はいますが、退職や転職をされた方は1人もいません。誰1人辞めさせるなという目的を会社が設定しているわけではなく、本人のキャリアにとってより良い人材配置があれば社長は積極的に付き合ってくれます。すごく温かい会社だと思いますね。

僕もスタートアップは激務のイメージがありましたが、転職してからワークライフバランスは良くなったと感じています。そういった面でも、クロスマートが気になる方はご連絡いただければと思います。

千葉

ありがとうございます。営業やPMとして働くうえで何が大切かがよくわかるストーリーを聞かせていただきました。これからどのようなキャリアを歩んでいくか迷っている方にも、参考になるお話だったのではないかと思います。

杉原さん、本日は、学びの多いお話をありがとうございました。

RELATED

NEW

37 件