圧倒的な行動量で自己研鑽し、突き詰める思考力で独自のキャリアを開拓
新卒でサイバーエージェントのグループ会社へ入社し、圧倒的な仕事量をこなして新人賞を受賞。自己研鑽に時間とお金を投資し、picki株式会社の共同創業者となる。その後再び独立し、CEOとしてCityCamp株式会社を創業。論理的に考え、行動量を積み重ねることで成果を出してきたしてきた松池さんにお話を伺いました。
「ヒトはキッカケがあれば必ず変われる」 生き方・働き方を応援するキッカケインタビュー。
今回は、CityCamp株式会社のCEOである松池恭佑さんにお話を伺いました。
就活でも仕事でも圧倒的な量をこなすことで、自身の成長につなげてきた松池さん。会社員として働いていた時代も、共同創業者を経て独立してからも、クリエイティブな思考と行動力でキャリアを切り拓いてきました。松池さんが独立した「キッカケ」や、CityCampに込めた想いついて語っていただきました。
インターンきっかけで価値観が変わり、受けた100社で1番おもしろそうな会社へ
千葉祐大(以下 千葉)
松池さん、本日はよろしくお願いいたします。まずはキャリアを歩み出す前のエピソードを伺いたいのですが、松池さんはどのような学生時代を過ごされていたのでしょうか?
松池恭佑さん(以下 松池さん)
よろしくお願いいたします。大学生の頃は、本当にいろいろなことをやっていました。アメフト部で頑張りながらバイトも5個くらいやっていて、インターンシップにもいくつか行っていましたね。ただ、大学3年生のときに靭帯を切り、アメフトができなくなってしまったんです。
そのようなときに友達に誘われ、旅の総合メディアを運営する株式会社TABIPPOでインターンをすることになりました。それがおもしろくて、価値観が変わったんです。レールが敷かれた人生を歩むのではなく、自分が本当におもしろいと思うことをやりたい。おもしろいと感じること以外を自分の人生でやる意味は、あまりない。それが、自分としては新しい発見だったんです。
千葉
なるほど。学生時代から、松池さんのクリエイティブな思考は作られていたのですね。そこから就活をされたと思うのですが、ファーストキャリアはどのように選ばれたのでしょうか?
松池さん
新卒で株式会社シーエー・モバイル(現:株式会社CAM)に入社したんですが、就活時は100社くらい受けていました。とにかく量をこなして、全部知ってから1番良い選択をしたいと考えるタイプなので、たくさんの会社を受けましたね。
会社を調べノートに書き出し図鑑のようにして、それぞれの志望理由を作っていました。そして、1番おもしろそうだと思った会社を選んだ形です。僕は若いうちにすごい人になりたいという気持ちがあったので、若くてイケている人が多くその背中を追いたいと感じたこともCAMに入社した理由です。
千葉
学生時代から、バイタリティがすごいですね。松池さんはお若いうちに独立されていますが、学生時代は独立したいという気持ちはなかったのでしょうか?
松池さん
当時は、特に独立しようと考えてはいませんでしたね。とにかくすごくなりたいと思っていたので、入社した会社で「3年で最年少役員になる」と宣言して行動していました。
成果を出すため長時間労働をこなし、新人賞を受賞
千葉
CAMに入社されてからは、どのような働き方をされていたのでしょうか?
松池さん
入社してからは、誰よりも働いて結果を出そうとしていました。僕は中学高校のテニス部でも大学のアメフト部でも、自分では努力したつもりだったのに成果を出せず挫折を味わってきたんです。だからこそ、社会人になってから結果を出せなければ自分の人生は終わりだと考えて、結果を出すためにできることをやっていました。決められた出社時間は10時でしたが、7時や8時には出社して夜12時くらいまで働いていました。周囲の方からは、会社に住んでいると言われていましたね。
千葉
ここでもバイタリティが感じられるエピソードが出ましたね。実際に長時間働く努力をして、早いうちに成果は出せたのでしょうか?
松池さん
そうですね。入社半年で、新人賞を受賞しました。新人が頑張れるように周りの方がサポートしてくださる環境があったので、その後も数カ月に1回は賞を取っていました。先輩をはじめ、会社の方々には仕事のことをとにかく聞きまくりましたね。
千葉
周囲の方から学ぶために、工夫されたことはあるのでしょうか?
松池さん
僕は、毎日違う人とランチをすると決めて行動していました。そんなことをする人は普通いないんですが、全社員とランチをすることで、誰が何をしているかがわかるんです。入社してから1〜2週間くらいで社長にランチのお誘いをして、会社がザワザワしたこともありましたね(笑)。 結果的に、会社内で僕のことを知らない人はいないという環境を作ることができました。
千葉
素晴らしい行動力ですね。読者のなかにもこれから頑張りたいと考えている若い方はいると思うので、ぜひ松池さんのアクションを参考にしていただきたいです。
オンラインサロンでの新たな出会いを経て、共同創業者として独立
千葉
松池さんは一度サイバーエージェントグループの別会社に出向されたと伺いましたが、こちらはどのような経緯があったのでしょうか?
松池さん
成長するためにほかの場所に異動したいと考えて、上司に相談しました。当時の僕は意識高い系の権化のようなタイプで、30個ほどのオンラインサロンに入っていたんです。月に5〜10万円ほどは、勉強費に充てていましたね。参加していたオンラインサロンで外部の方々と話すなかで、自分の市場価値について考えるようになりました。一定の仕事しか経験がない状態だと、外に出たときに自分の市場価値が低くなってしまう。そう思い、1つの事業部で同じ仕事だけをやり続けるのはやめて、出向させていただくことになりました。
千葉
お若いうちから勉強に月5〜10万円かけるというのは、とても思い切った行動だと感じました。お金も時間も使ってオンラインサロンに参加するなかで、価値観を変えるような出会いがあったのですね。
松池さん
そうですね。このあと僕はpicki株式会社の共同創業者となるんですが、一緒に起業しないかと声をかけてくださったのもオンラインサロンで出会った鈴木昭広さんでした。誘っていただいてから3カ月ほど経ち、自分のなかでいけると思ったので、その3日後には会社を辞めて独立したんです。
千葉
決断されてからの行動が、本当にお早いですね。picki株式会社は、ファッションのD2Cプラットフォームを運営する会社でしたよね。
松池さん
はい。当時は日本でD2Cが流行り始めたタイミングで、僕もファッションには興味があったので挑戦することにしたんです。最初はインフルエンサーブランドという形で、インスタグラマーと一緒に洋服ブランドを立ち上げていました。生産からブランドのコンセプトづくり、SNSでの最終アウトプットという一連の流れを、インフルエンサーの方とともに進めていましたね。
千葉
共同創業者として独立してみて、いかがでしたか?
松池さん
今思い返すと、鈴木さんにかなり引っ張ってもらっていました。毎日楽しみながらやっていましたが、最初は売上を立てるのが難しかったです。サイバーエージェントキャピタルをはじめ、有名なVCから資金調達をさせていただきましたが、1年ほどはあまり売上が立ちませんでした。実際に起業してみて、0から1を作る難しさを理解しましたね。
千葉
1社目で成果を出していたときは1から10がメインだったと思うので、それとは全然違ったのですね。それでも20代前半でそのような経験をされたのは、激動の人生ですね。
pickiでの経験を活かし、独立してリアルの場を提供するビジネスを始める
千葉
結果的に、pickiには3年ほど携わっていたのですね。その後またご自身で独立されたと思いますが、そのような決断をされたきっかけを教えていただけますか?
松池さん
当時はpickiも2回目の資金調達を終えてプレシリーズという段階になり、売上も年間数億円になっていました。多くのクリエイターとたくさんブランドを作って成功体験ができたと感じていましたが、人のブランドばかり作っていた反動で自分のブランドを作りたいと思ったんです。自分のブランドを作るために、今度は1人で独立しました。
千葉
結果的にCityCampという会社を立ち上げられましたが、そこに至るまでの経緯を教えてください。
松池さん
CityCampを作るまでに、1年間の準備期間を設けてブランド設計をしました。今まで出会った方々に会いまくって、今から事業を始めようと思っているけど何がいいだろうと相談したんです。結果的に辿り着いたCityCampは、自分が今まで生きてきたなかで良いと感じたものなんですよね。
“City(シティ)”は都会的やファッショナブルという意味が込められていて、“Camp(キャンプ)”はTABIPPOのインターンをしていた頃から好きでした。自分の人生に欠かせない2つを融合させて、CityCampを作ろうと思ったんです。
千葉
僕も何度も行かせていただいていますが、CityCampは恵比寿にある焚き火バーとして人気を集めていますよね。OFF COLAも、余暇を充実させる存在として好評だと伺っています。自分のブランドを作るビジネスを始めて、難しかったことはありますか?
松池さん
自分のブランドを0から始めるのは、相当難しいと実感しました。どうすれば早く質良く広まるのか考えたとき、pickiでやっていたことが役に立ったんです。
もともとpickiは、人のブランドがいかにして売れるかを科学してきた会社です。たとえばアイドルやアーティストのブランドがインスタグラマーよりも“ファンだから”という理由で売れるのは、アイドルやアーティストのほうが可処分時間をしっかり取れているから。数秒間のInstagramのストーリーズに触れるより、5分の曲が10曲集まった音楽アルバムを聴いたほうが、ファンが使っている時間が長い。触れてもらう時間が長いほうが、ファン度は高まるんですよね。
そこで自分ができることを考えたとき、コロナ禍にあえてリアルの場を提供することにしました。自分たちのブランドの世界観を体験できる空間に1時間いてもらうことで、ファンになってもらう。シティとキャンプが融合した空間で過ごし、美味しいOFF COLAを飲んでもらう。このような体験を提供するために、リアルでビジネスを始めたという流れですね。
千葉
なるほど。可処分時間とファン度の相関性は、とても勉強になります。
CityCampやOFF COLAを通して、余暇を充実させる考えを広げたい
千葉
実店舗でビジネスを始めて、最初の手応えはいかがでしたか?
松池さん
最初は、今までの人生で出会った方々約4,000人にDMを送り、「CityCampを始めたから来てね」と伝えて結構来てもらえましたね。ただ、最初は財務担当者もおらず、僕と業務委託のスタッフが1人いるだけの状態でした。家賃120万円を支払いながら商品在庫も抱える状態だったので、リアルはWebと違っていろいろな面で大変だと実感したんです。
そのようなときに出会ったのが、現在COOのばっちさんです。彼が入ってから、売上が5倍に伸びました。最初は会員制にしていましたが、それをやめて、毎日イベントを行う空間を作っていきました。インフルエンサーが1日店長をしてくれたり、東京コレクションの打ち上げに使ってもらったりもしたんです。ローンチイベントや会社の決算会でも使ってもらうなど、業界の感度が高い方々が開店から現在に至るまで支えてくださっています。
千葉
CityCampは焚き火バーですが、打ち上げだけでなく各種イベントができる空間でもあります。プロジェクターを使って会社の決算発表会などもできますし、幅広く使えるクリエイティブな空間ですよね。読者の皆様にも、ぜひ利用していただきたいと思います。
それでは、読者の方に向けて会社のPRをお願いいたします。
松池さん
僕たちの会社は、「なんでもできる街で、何もしないをしませんか」をコンセプトとしています。余暇を充実させていこうというのが事業の軸なので、CityCampもOFF COLAもそのために提供しています。現代で生きる皆さんは疲れていると思うので、CityCampでもお家でもOFF COLAを飲んで癒やしを作ってほしいですね。
また、会社として現在CxOやPMなどを積極的に採用しているため、興味がある方はぜひご連絡いただければと思います。
千葉
ありがとうございます。若いうちから圧倒的な行動力でキャリアを開拓してきた松池さんのストーリーから、学べることはたくさんあると思います。今後のキャリアに悩んでいる方にも、ぜひ積極的に行動していただきたいです。松池さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。
新卒で株式会社シーエー・モバイル(現:株式会社CAM)に入社し、半年後に新人賞を受賞。その後グループ企業へ出向し働きながら多数のオンラインサロンで学び、出会った方とともに2018年にpicki株式会社を創業。2020年に再び独立し、CEOとしてCityCamp株式会社を創業。都市とキャンプを融合させた焚き火バー「CityCamp」や、オフタイムを提供するクラフトコーラ「OFF COLA」を手がける。