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設立した会社でも理事を務める団体でも、組織や人の背中を押し続けたい

キッカケインタビュー

2023.12.27

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新卒で営業の道へ進み、成績最下位を経験したのちに社長賞を受賞するまでに成長。成長の影には、仕事に対する考え方の変化がありました。そして家庭的なパパでありたいという軸を就活生時代から継続して持ち、ライフステージに合わせて働き方も変えていった高橋さんに、お話を伺いました。

「ヒトはキッカケがあれば必ず変われる」生き方・働き方を応援するキッカケインタビュー。
第31回目の今回は、株式会社セナオスの代表であり、一般社団法人Papa To Childrenの理事も務めている高橋俊晃さんにお話を伺いました。

高学歴でありながら、学生時代は意識が低かったという高橋さん。社会人生活のなかで考え方が大きく変わっていき、今では自ら会社を設立するまでになりました。高橋さんの考え方が変化した「キッカケ」や現在セナオスで行っていること、また働くパパとして抱えている想いについて語っていただきました。
高橋俊晃さん

高橋俊晃さん

東京大学教育学部を卒業し、リコージャパン株式会社へ入社。営業部に配属され、3年目には社長賞を受賞。その後株式会社ワークスアプリケーションズに転職し、コンサルティングや採用、経理を担当。2018年に独立して個人事業主となり、企業の人事や経理、情報システムなどの業務改善やシステム導入、プロジェクトマネジメントを担う。2023年9月、株式会社セナオスを設立。一般社団法人Papa To Childrenの理事も務める。

意識が低く自信だけある状態で学生生活を送り、営業の道へ進む

千葉祐大(以下 千葉)

高橋さん、本日はよろしくお願いいたします。高橋さんは東京大学教育学部を卒業されていますが、どのような学生生活を送っていらっしゃったのでしょうか?

高橋俊晃さん(以下 高橋さん)

よろしくお願いいたします。私は高校が進学校だったこともあり受験勉強は頑張れましたが、大学に入学して1〜2年ほどですっかり学業に対するモチベーションを失ってしまいました。バイトとサークルに明け暮れて単位の取得もままならないような、典型的なダメ大学生でしたね。

就活時期になっても、意識は低いままでした。何とかなるだろうという自信を無駄に持っていて、あまり仕事を頑張ろうという気持ちになれなかったんです。それゆえに仕事から目を逸らして、家庭を大事にするパパになりたいと考えていましたね。学歴は高かったので有名な会社からもオファーの手紙が届いていましたが、家庭的なパパになるために全国転勤がある会社は全部弾いていました。

結局新卒でリコージャパン株式会社に入社しましたが、当時は東京で営業をするローカルな会社だったんです。コピー機に興味があったわけでもなく、東京に住めて、人と話すのが好きだから営業はできるだろうというすごく軽いノリで入社を決めました。

千葉

会社の代表となって精力的に活動されている現在の高橋さんからは、なかなか想像できない学生時代の姿ですね。当時から家庭を大切にするパパになりたいと考えていらっしゃったのが、すごく高橋さんらしいです。

最下位から社長賞受賞に至るなかで、仕事に対する考え方が大きく変化

千葉

高橋さんは意識が低い学生時代を送ったとおっしゃっていましたが、リコージャパンへ入社してからはいかがでしたか?

高橋さん

入社後は営業として、担当エリアで飛び込み営業をすることになりました。ただし、どの会社へ行ってもコピー機やプリンターがすでにあったので、基本的に営業は断られていたんです。そして、1年目の売上が30万円ほどしかなく、同期のなかでも最下位の成績を取ってしまいました。

同期が同じ商材を売っているので、私の売上の低さを環境や商材のせいにすることはできません。学生時代は無駄に自信だけありましたが、入社してからポッキリ鼻を折られましたね。仕事や社会を完全に舐め切っていたところで、自分はダメだと打ちのめされました。このどうしようもない失敗体験を早い段階でできたのは、結果的に良かったです。

千葉

今の高橋さんからは考えられないエピソードですね。営業成績が最下位の状態から、どのようにリカバリーされたのでしょうか?

高橋さん

1年目で最下位になってから、ずっと良い上司に恵まれていたんです。高橋に任せているエリアでは、そんなにすぐ商材が売れるはずがない。だからこそ、きちんとお客様との関係性を構築しなければいけない。継続してやっていけば必ず売れる日が来ると、上司が言い続けてくれました。それで腐らずに頑張ることができて、2年目からはようやく努力が実を結び始めました。そして3年目で、社長賞を受賞できたんです。

千葉

素晴らしいエピソードですね。最下位から社長賞を受賞するに至るまでには、考え方の変化もあったのではないでしょうか?

高橋さん

そうですね。1年目は全然売れなくて、どうしようという気持ちしかありませんでした。2〜3年目になると余裕が出てきて、俯瞰で物事を見たり自分の心と向き合ったりできるようになったんです。

会社が新商品を出して販売数の目標が下りてきたとき、お客様のメリットを考えると旧製品を買ってもらったほうがいいと考えて営業したことがありました。結局怒られてしまうんですが、自分はこうすべきだと思うと生意気にギャーギャー主張していたんです。

そこで、学生時代に仕事は適当にやればいいと考えていた自分が、いつの間にか仕事やお客様に真剣に向き合っていると気づきました。実際に働いてみなければ、自分が真面目に向き合いたいタイプだと知ることはできませんでしたね。

千葉

いいお話をありがとうございます。これは、若い読者の方にもぜひ知ってほしいエピソードですね。

大変なコンサルタント時代で総合力を身につけ、異動後に9カ月間の育休を取得

千葉

リコージャパンに入社してから3年で転職されたそうですが、転職を決めたきっかけを教えてください。

高橋さん

会社の方針に従いきれずにギャーギャー言ってしまう自分がいたので、会社の在り方と自分がマッチしないと入社3年目にわかりました。そこで、転職を考えたんです。学生時代とは打って変わって、仕事に真剣に向き合えておかしいと思ったら発言することを良しとする文化の会社に行こうと考えていました。

わかりやすく成長できそうな会社を探していたところ、転職エージェントを通じて株式会社ワークスアプリケーションズからスカウトメールが来たんです。興味本位で説明会へ行ったところ良い会社だと感じたので、転職を決めました。

千葉

ありがとうございます。社会人経験を経て、学生時代とは180度と言っていいほど異なる考え方で転職活動を進められたのがおもしろいですね。ワークスアプリケーションズでは、どのような仕事をされていたのでしょうか?

高橋さん

2008年に転職してから10年間ワークスアプリケーションズにいて、最初は会計製品のコンサルタントをすることになりました。6年ほど会計コンサルタントをしたあとは新卒採用のチームに異動して、最後は経理部で1年間働きました。

会計コンサルタント時代は、めちゃくちゃ大変でしたね。若手にこそ最高難度の仕事を任せる方針の会社だったので、どのプロジェクトも難しく、非常に苦労しました。優秀な営業の方々がお客様の心を掴んで商材を売り、そこから私たちコンサルタントが導入や運用のコンサルティングを行い、導入前よりも生産性が上がったと思っていただかなければならない。とにかく、問題解決のためにできることは全部やっていました。だからこそ総合的な力が鍛えられましたが、とても大変でしたね。

千葉

大変だったからこそ、レベルが上がった時代だったのでしょうね。その後フリーランスとして活動されたときも、このときの経験が活きたのだろうと想像できます。

高橋さんはワークスアプリケーションズにいるあいだに育児休業を取得されたそうですが、経緯を教えていただけますか?

高橋さん

新卒採用のチームに異動して2年目頃に長男が生まれたので、育休を9カ月間取得しました。意識の低い就活生時代から、将来子どもが生まれたら育休を取ると決めていたので、決めていたとおりに取得した形ですね。

千葉

当時は男性が育休を取得する事例も少ない時代だったと思いますが、会社の傾向としてはいかがでしたか?

高橋さん

私の前に育休を取得した男性は30人ほどいて、めずらしいことに変わりはありませんが前例はありましたね。当時から各人が自分の思ったキャリアを自律的に築いていこうという風土がある会社だったので、そのなかで今は子育てを頑張るという意思決定をする社員が一定数いた形です。

育児と仕事のバランスを模索できる道だと考え、フリーランスに

千葉

高橋さんは、2018年にワークスアプリケーションズを退職されているのですね。

高橋さん

そうですね。ワークスアプリケーションズを辞めてフリーランスとして独立し、一般社団法人Papa To Childrenの立ち上げに携わったので、2018年は私にとって大きなきっかけの年でした。

千葉

独立してフリーランスになろうと考えたきっかけは、どのようなものだったのでしょうか。

高橋さん

フリーランスになろうと決めたのは、第二子が生まれることになったからです。第一子が生まれたときは育児休業を夫婦で同時に取得し、その後2人とも仕事に復帰して子どもを保育園に入れ、仕事と子育ての両立をしていました。これがとても大変だったんです。学生時代とは打って変わって私も仕事を一生懸命やりたい人になっていたので、仕事と子育てのバランスが上手くいかずに悩むこともありました。第二子が生まれることになって幸せでしたが、1人目で手一杯な現状のまま2人目も育てるのは難しいと感じたんです。

ワークスアプリケーションズは各自で意思決定ができる会社だったので、男性である自分が時短勤務をすると言っても受け入れてくれたと思います。ただ、私はこの会社にいる以上はフルタイムで働きたいと考えていたので、その道は選びませんでした。そこで、フリーランスになれば仕事の時間をコントロールして家庭とのバランスも模索できるし、仕事のおもしろさも失わないだろうと考え、独立を決意しました。

千葉

まさにライフステージの変化によって、働き方を変えられた形ですね。僕も子どもの未来株式会社で人材支援をする際、子どもが生まれたから働き方を変えたいというご相談をいただくケースが多いので、参考にさせていただきます。

業務改善を目指す企業やキャリアに悩む方の背中を押したい

千葉

独立した年に高橋さんが立ち上げに携わった一般社団法人Papa To Childrenには、僕も大変お世話になっています。高橋さんは、どのようなきっかけで理事を務めることになったのでしょうか?

高橋さん

パパが集まってワイワイ話す場所があるから一緒に行かないかとパパ友に声をかけてもらい、Papa To Children主催のイベントに参加したのが始まりでした。そこで、ここは心理的安全性の高いパパ空間だと思ったんです。パパ同士が安心して話せる場所は、世の中に多くない。でもパパだって仕事や子育てで喜ぶこともあれば悩むこともあるので、話を聞いてほしいし共感してほしい。Papa To Childrenが提供する場所にはそのようなパパが集まるので、非常に楽だと感じました。

そこから活動に参加するようになり、コアメンバーが継続して運営していきたいから法人格を持つのはどうだろうという話をしてくれました。そこでほとんど勢いで、立ち上げに携わりたいと言って理事になったんです。

私もパパが集まる場に救われた1人ですし、同じように救われるパパはきっと世の中にたくさんいて、これから増えていくだろうと思います。パパの子育てが昔よりも一般的になっているのはいいことですが、そのなかで葛藤を抱えるパパ人口も増えているはずです。そのような葛藤をオープンにしていい場所を、Papa To Childrenで提供してければと思っています。

千葉

ありがとうございます。それでは、最近法人を設立された高橋さんの現在の仕事内容や、読者の方へのメッセージをお願いいたします。

高橋さん

フリーランスになってから6年が経ち、ありがたいことにいろいろな仕事でお役に立つ機会をいただいています。人事や経理、情報システムなどの業務改善やシステム導入のほか、プロジェクトマネジメントなどを担っています。

フリーランスを始めてある程度自信がつき、継続してやっていく覚悟も決まったので、2023年9月に株式会社セナオスを設立しました。組織や人の背中を押すことを生業とする存在でありたいと思い、「背中を押す」を略してセナオスです。引き続きいろいろな会社の背中を押していきたいですし、キャリアに悩むパパや若い方が前向きになれるようなきっかけづくりもしていけたらいいなと考えております。

千葉

ありがとうございます。セナオス、高橋さんらしい素晴らしい会社名ですね。キャリア支援やパパの集まりに興味がある方は、ぜひご連絡いただければと思います。高橋さん、これからも子育てや仕事を一緒に頑張っていきましょう。本日はありがとうございました。

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