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ターニングポイントは、人との出会い。世界観を広げながら経験値を積む

キッカケインタビュー

2023.12.22

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大学の教育学部で学び、教育の道には進まず新卒で大手保険会社に就職。その後大手通信会社に転職し、フリーランスを経験してからベンチャー企業という流れでキャリアを歩む。変化の波を乗りこなしながらインサイドセールスのプロフェッショナルとして経験を積んできた佐藤さんに、お話を伺いました。

「ヒトはキッカケがあれば必ず変われる」生き方・働き方を応援するキッカケインタビュー。
第28回目の今回は、インサイドセールスのプロフェッショナルとして活躍中の佐藤祐介さんにお話を伺いました。

新卒から一貫して、営業のキャリアを歩んできた佐藤さん。大手企業に勤めたあとは一度フリーランスになり、再び会社員になるタイミングでベンチャー企業に転職しました。大学で教育について学んだところから会社員を志すようになった「キッカケ」や、大企業・フリーランス・ベンチャー企業と働く場所を変えたことで見えてきたものについて語っていただきました。
佐藤祐介さん

佐藤祐介さん

インサイドセールス マネージャー
新卒で大手保険会社に就職し、営業職に従事。入社当初は伸び悩んだものの、転機を迎えてからは全国トップの営業成績を収める。その後大手通信会社に転職し、法人営業を担当。新規と既存の営業を幅広く行い、幅広い視野を身につける。2022年に独立し、フリーランスとしてインサイドセールスの代行を行う。その後、ベンチャー企業へ転職し、インサイドセールスのマネージャーを務める。

安定志向から大手保険会社に就職し、理想と現実のギャップを痛感

千葉祐大(以下 千葉)

佐藤さん、本日はよろしくお願いいたします。佐藤さんはファーストキャリアから一貫して法人営業の経験を積んでこられたと伺いましたが、まず学生時代のエピソードを教えていただけますか?

佐藤祐介さん(以下 佐藤さん)

よろしくお願いいたします。私は大学生の頃は教育学部に所属していたのですが、3年生になってから就活を始めました。教育学部生は教員を目指すために進学した方が多く、民間企業のことをよく知らない学生が周りにたくさんいました。私も例外ではなく、大手の会社名を言われてもピンとこないくらい世間知らずだったんです。

そのような状態から民間の企業に就職しようと考えたのは、教育実習中に子どもへの影響について考えたからです。これから未来を作っていく子どもたちに、自分は何を伝えられるんだろう。社会はどういうところで、そもそも何のために勉強をすべきなのか、社会に出ていない自分が子どもに伝えられるんだろうか。そのような課題に向き合いました。

これから未来を作っていく子どもたちに対して、明るい未来を語れる大人にならなければいけないと強く感じたんです。そこで、新卒で教師になるのではなく、一度社会に出て自分が社会とはどういうところなのかを知っていこうと考えて就活を始めました。

千葉

素晴らしいですね。このような考えを持った先生に教わりたいです。それでは、教員から民間企業の就活に切り替えて、新卒で入社された会社を選んだきっかけを教えてください。

佐藤さん

1社目に選んだのは、大手の保険会社でした。選んだ理由はとてもシンプルで、安定している会社がいいと思ったからです。当時は就職活動を始めたもののまだ世間知らずだったので、給料が安定していて福利厚生もしっかりしていて、親が安心するネームバリューもある会社を選ぼうという浅はかな考えがありました。

千葉

なるほど。実際に入社してみて、いかがでしたか?

佐藤さん

営業職としてキャリアをスタートしたんですが、働き始める前後で理想と現実のギャップがありすぎましたね。働く前は、メンバーや上司とコミュニケーションを取りながら働ける会社で、ここにいれば将来明るい未来しかないというお花畑のような理想を持っていました。

しかし、営業組織はゴリゴリに働くところだったので理想とは違いました。全国各地の支社に配属された同期の話を聞くと、働きやすい支社もしんどい支社もあり、社会ってこういうところなんだと実感したんです。理想と現実が結構離れていたのが、大きなインパクトでしたね。

優秀な営業担当者との出会いが転機となり、営業成績が全国トップに

千葉

1社目の保険会社には3年ほどいらっしゃったそうですが、営業で成長したエピソードがあれば教えてください。

佐藤さん

営業に配属されてから1年ほどは鳴かず飛ばずで、同期のなかでも営業成績は最下位クラスだったと思います。本当に数字が上がらなくて、上司に毎日詰められていたんですが、そこから変われたのは中途採用で入社してこられた方のおかげです。

その方は前職でも営業をしており、全国トップの成績を収めていました。私はそれまで自己流でやることが多く、守破離でいうと離から始めるタイプだったんです。誰かの真似をせず自己流で全部やりたいという考えを持っていたんですが、それで結果が出なかったので、自己流ではいけないと思い始めていました。

そのようなときに中途でその方が入ってきて、相談もしやすかったので、何から何まで同行してその方の真似をするようにしたんです。研修やプレゼンではその方が言ったことを書き起こしてそのとおりに話すようにして、仕草や間を作るタイミングも全て真似しました。それから徐々に成績が伸びるようになり、私も全国トップの営業成績を取れるまでに成長できたので、本当にその方や周りの方の支えのおかげですね。

千葉

ありがとうございます。やはり、人との出会いは大きいですよね。自分でやってわからなかったことを、優秀な方の真似をすることで学んで成長できたというエピソードは、この後佐藤さんがインサイドセールスのプロフェッショナルとなる未来につながっていくんだと感じました。

その後転職されていますが、転職を決意したきっかけを教えてください。

佐藤さん

1社目ではたくさんのことを学ばせていただきましたが、斜陽産業だったので、営業も競合他社とのパイの取り合いがメインでした。これから自分がこの会社にいる30〜40年間も、安泰ではないと気づき始めたんです。あとは、入社のきっかけとして挙げていた待遇面も大きいですね。他社に比べて待遇は良かったんですが、周囲の稼いでいる先輩の生活事情を聞くとしんどそうでした。仕事を楽しそうにしているわけでもなく、年金をもらえるまで何とかしがみつこうという方も多かったので、自分はこのような生活を何十年も続けたくないと感じて転職を決意しました。

千葉

なるほど。学生時代には見えてこなかった部分もありますよね。2社目の大手通信会社にも法人営業として転職されたと思うのですが、初めての転職活動の感想や2社目に転職してから感じたギャップなどがあれば教えてください。

佐藤さん

転職活動をしたことで、広い視野でいろいろな業界を見られたのが良かったです。自分の願望は自分の知っているなかでしか思い描けないので、選択肢を広げるのは必要だと感じました。自分の市場価値を測るためにも、転職活動はいいですよね。

2社目に入社したときも、ギャップはありました。IT系の会社だったので、入社前は最先端の会社だと思っていたんです。1社目がアナログだったので2社目はデジタル化が進んでいるんだろうと思っていましたが、実際に入社してみると2社目は1社目よりもアナログでした。

それでも、幅広い仕事に携われたのは良かったですね。新規と既存の両方で営業をしていたんですが、既存は主に大手SIerやベンダー企業向けに、新規はスタートアップも大手も開拓する形で幅広く営業していました。

「死ぬこと以外はかすり傷」という言葉にハッとして、フリーランスに

千葉

2022年にはフリーランスの道を歩み始めた佐藤さんですが、どのようなきっかけで独立を決意されたのでしょうか?

佐藤さん

独立を決意したきっかけは2つありまして、1つは通信業界で働いていたとき、知り合いから副業で営業の開拓を委託できないかと言われたことです。これまで営業で培ってきたスキルを活かして、新規開拓のお手伝いをさせていただいたのが独立のきっかけの1つになっています。

もう1つのきっかけは、2社目でスタートアップの開拓をするなかで、アクセラレータープログラムを見たことです。スタートアップ企業やベンチャー企業が、大手企業の出資を受けるためピッチを行っているのを見て、これだけ熱意を燃やして想いを持って事業をやっている方はこんなにたくさんいるんだと感動しました。そこで、自分は大手で安定しているけれど、もっとチャレンジしたほうがいいんじゃないかと考えるようになりましたね。

千葉

ありがとうございます。大手企業に勤務されていたところからフリーランスになるのはとても大きな決断だったと思いますが、不安などはなかったのでしょうか。

佐藤さん

不安はめちゃくちゃありましたね。安定しているところからいきなりフリーランスになるなんてリスクしかないと、なかなか踏み出せない自分がいました。それでも踏み出せたのは、ある人の言葉がきっかけでした。

いろいろな企業の方とお話しさせていただいたときに、ある方から「死ぬこと以外はかすり傷でしょ」と言われたんです。よく聞く言葉だと思いますが、私はそのとき初めて聞いてハッとしました。確かに日本は制度が整っているので、ものすごい失敗をしたとしても死ぬことはないなと思ったんです。じゃあ今の会社を辞めてチャレンジするリスクって何だろうと考えたとき、もうチャレンジするしかないと思って独立することにしました。

千葉

このときも、人との出会いが人生の転機になったのですね。佐藤さんの営業スキルが買われて副業を依頼されたことが独立のきっかけのひとつになったというのも、読者の方の参考になると思います。僕も営業経験があるので、営業職っていいなと思っていただければ嬉しいですね。

佐藤さん

そうですね。ただ、営業で結果を出している方はそれだけの努力をしてきたはずなので、どの職種でも一定の努力や継続は必要だと思います。営業職になったから素晴らしい結果がすぐに手に入るというわけではなく、努力や継続が大事というのはお伝えしたいですね。

仕事で成し遂げたいことを明確にするため、再び会社員となる

千葉

佐藤さんはフリーランスでインサイドセールス中心にお仕事をされてから、現在の会社に転職されたのですよね。このきっかけを教えていただけますか?

佐藤さん

フリーランスになると決めたときは、法人化しようと考えていました。しかし、フリーランスになってからいろいろな会社の役員の方や経営者の方と話すなかで、自分のミッション・ビジョン・バリューが定まっていないと感じたんです。

事業を起こして1〜2年は、上手くいくかもしれない。しかし、中長期的に見てこの仕事をもとにどのように社会貢献をしたいか考えると、まだ自分はその段階に行っていないと感じました。この仕事をもって何を成し遂げたいのか、何を社会に届けたいのかが決まりきっていなかったので、仮に従業員を雇っても責任を持てないと思ってしまったんです。法人化はそれが定まってからチャレンジすればいいと考えたので、もう一度どこかの組織に所属して経験値を積もうと思い、会社員に戻りました。

千葉

社会貢献や他人の雇用などに真摯に向き合っているところが、佐藤さんらしいですね。転職されたベンチャー企業ではインサイドセールスのマネージャー職を務めていらっしゃいますが、これまで勤めてきた会社とは違う感覚もあるのでしょうか?

佐藤さん

そうですね。今までの大手企業では1つ稟議を通すために1カ月かかることもザラでしたが、ベンチャー企業ではスムーズに物事が進みます。あとは、新卒時代からいろいろな仕事を任せてもらえるので、優秀な若手社員が多いですね。実務に入ってからのスピード感や人が成長している感じは、大手では味わえないと思います。私も、ベンチャー企業で働いている今のほうが自分に合うと感じるので、生き生きと働けていますね。

千葉

ありがとうございます。それでは、最後に読者の方へメッセージをお願いいたします。

佐藤さん

自分のキャリアを振り返ると、ターニングポイントはいつも人でした。人と出会って話すなかで、自分の価値観や考え方が変わっていきました。そのため私は今でも、1カ月で5人以上の新しい人に会おうと決めて行動しています。

日々出会うのが社内の方だけだと、世界観が狭まってしまう部分もあると思います。社外の方とのつながりを作ったり、違うコミュニティに身を置いたりすることは、年齢や業界問わず大事なことです。読者の皆様も、ぜひいろいろなところに顔を出しながら多くの人の価値観や考え方を聞いて、自分の知見を広げていただければと思います。

千葉

ありがとうございます。かなり変化が大きなキャリアを歩んでこられた佐藤さんですが、大変なことがありながらも変化を乗りこなしているのが印象的でした。今後佐藤さんがどのようなキャリアを歩んでいかれるのか、僕もとても楽しみにしています。

佐藤さん、本日は学びが多いお話をありがとうございました。

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