「ヒトはキッカケがあれば必ず変われる」生き方・働き方を応援するキッカケインタビュー。
第一回目の今回は、株式会社グロースXでマーケティング・広報・コミュニティマネージャーとしてご活躍されている酒井葉子さん。個人としてもメディア編集、MCに至るまで幅広いジャンルで活動をされている酒井さんのキャリアストーリーをご紹介します。酒井さんが4回のキャリアチェンジを経て、自らの「キッカケ」をどのように活かして経験を積んできたのかを深掘りインタビューさせていただきました。
酒井葉子さん
-プロフィール-
新卒採用コンサルティング、広告営業、マーケティング、イベント運営全般、広報、新規事業担当、IR・社長秘書等、各事業会社にて幅広く経験。
2023年2月より、株式会社グロースXにてマーケティング・広報・コミュニティマネージャーを担う。LIVE配信コンテンツ「JJの部屋」サポーター、音声番組「40」MC等。
千葉祐大
キッカケインタビュー第一弾ということで、酒井葉子さんに今までのキャリアストーリーを深掘りしていきたいと思います。酒井さん、よろしくお願いします!
酒井葉子さん
よろしくお願いします。私は、株式会社グロースXというマーケティングをはじめとしたあらゆるビジネススキルをアプリケーションを使って習得いただくサービスを提供している会社で働いています。
私自身はグロースXが5社目で、今まで数回の転職を経て色々なキャリアを積んできました。
株式会社グロースX
デジタルマーケティングのベーススキルUPに必要な教育をワンストップで提供するe-ラーニングサービス「Growth X」の開発、提供。
「自己肯定感のある社会をつくる」をミッションに掲げる。
酒井葉子さん
40代となった今の私の軸になっているのは、1日を大切に生きて、楽しむということなんです。
1日、1週間、1ヶ月、1年と、時を経るごとに短くてあっという間に感じるようになっていきますよね。その中で今の私はグロースXに関わりながら、今までの経験をベースにして新しい知識や経験を身につけて行っている道の途中、まさにリスキリングを楽しんでいます。
人との出会いやコミュニケーションが私の喜びのひとつでもあるので、自分自身だけではなく皆さんにもリスキリングを楽しんでいただくきっかけを作っていただけたら良いなと思っています。
新しい人と出会うとワクワクするし、学びが多いですよね。
そうなんです。コロナ前はカンファレンスや大規模なイベントから友人繋がりの食事会まで、人に会う機会がたくさんありましたが、コロナ禍でそのような機会が減ってから新しい人との出会いや新しい知識に触れることの貴重さを痛感しました。些細な会話ひとつ取っても、人から得ていたものがたくさんあったんだなって。
僕も人に会うことがとても好きなのでとてもよくわかります。僕も人に会うことが自分のモチベーションに繋がる人間なので、今考えると2020年の後半は辛かったし、日常を生きるテンションも低かったと思います。
さて、今ではグロースXで働き、facebookやtwitterなどの発信も話題になっている酒井さんですが、今まで酒井さんがどのようなキャリアや経験を積んできたのか、お聞かせください。
新卒で入社をしたのは株式会社毎日コミュニケーションズ(現 株式会社マイナビ)で、新卒採用のコンサルティング営業をしていました。求人企業に対して、新卒向けのマイナビへの掲載やイベント出展、パンフレット製作の提案などを7年間担当していました。
7年!それはすごいですね。今の酒井さんにはスピーディーに軽やかに色々なチャレンジをしていくイメージがあるので意外です。
そうですね、新卒で入社した会社だったので社会人のスキルを身につけて、本当に色々と経験させていただいた7年間でした。マイナビってお客様層が限定されないんです。人を採用している限り全ての企業がお客様になるので、一般企業から官公庁まで、規模も業種業態も多様なたくさんの企業様とお仕事をさせていただいたのがとても楽しかったです。
新卒で入社した会社でも充実した社会人生活を送られていたのですね。なぜ楽しかった毎日コミュニケーションでのお仕事からの転職を決意されたのでしょうか?
20代で1回転職を経験したいという思いがあって、29歳の誕生日を迎える前に最初の転職をしたんです。
単純に環境を変えたいという思いもありましたし、マイナビという人材会社でさまざまな人のキャリアを扱う中で、私自身もキャリアを変えるという経験をしてみたかったんです。
2社目はグリー株式会社というゲーム会社の広告営業でした。営業職にはさまざまな選択肢がありますが、前職のマイナビでは人材系の情報サービスという無形商材を扱っていたので次のキャリアも無形商材を扱う営業職に就きたいと考えました。また、前職では人事担当や中小企業の場合は経営者の方が相手先でしたが、次の仕事では事業そのものをプロモートしている部署の方を相手先にしたいなと考えた先にいきついたのが広告営業だったんです。
当時(2011年頃)のグリーといえばモバイルゲームで急成長を遂げていましたよね。酒井さんご自身はゲームにも興味があったのですか?
実は、私自身はゲームに興味がある訳ではなかったんです(笑)ただ、その当時のグリーは上場直後でとても勢いのある時だったので、その中で広告営業としてしごかれてみたいなという思いがあったんです。
会社としても本当にめまぐるしい成長を遂げていた時で、私が入社した2011年3月はは、毎週30-40人が入社するなど、組織としても急拡大しているタイミングでした。
毎週30人入社とは想像を超えた環境だったのですね。ありがとうございます。勢いのあるグリーで働く中で2回目のキャリアチェンジのきっかけになったエピソードを教えて下さい。
急成長を遂げた会社なので、入社から数年が経過した時点で事業縮小や新規事業の打ち止めなどが起きたタイミングがあって、この先はどうしようかと悩んでいました。
そのタイミングでグリーの先輩が人材エージェントを立ち上げていて、ちょうどお声がけ頂いたんです。「こういう面白い会社あるよ!」とご紹介いただいたのが3社目、千葉さんと出会った株式会社みんなのウェディングでした。
ここで僕の前職でもあるみんなのウェディングが登場するのですね。3社目のキャリアについても詳しく教えてください。
私はみんなのウェディングの中のBrideal(ブライディール)というオリジナルウェディングを扱う事業で対外交渉全般を担当していました。オリジナルウェディングというのは結婚式場ではなく、新郎新婦の好きな場所でオリジナリティのある演出を加えて結婚式を挙げるという欧米では比較的ポピュラーな結婚式のスタイルなのですが、当時の日本にはあまり前例がありませんでした。その中で自分自身が仕事を通じて新しいカルチャーを創っていく過程でたくさんの刺激を受けました。to Bである会場側と、to Cである新郎新婦やご家族を含めた顧客側とのコミュニケーションを取りながら仕事ができたというのも私の中ではとても大きな転機でした。
前例が無くて難しい仕事でしたよね。当時の酒井さんはウェディング会場の交渉で東京タワーなど驚くような場所をひたすら開拓して、チャレンジを繰り返していたような印象があります(笑)
そうなんです、東京タワーや、湘南の海岸やヘリポートなど、ありとあらゆる場所に交渉をしにいきましたね。
今思えばこの当時の経験が、それまでとは異なる新しい仕事をするために必要な技術や技能を身につけるリスキリングという今の私が携わっていることにも大きく影響を与えてくれていると思います。当日の私は資格を取るのが好きだったんです。資格取得には合格・不合格がはっきり出るので、合格!って言われるのが好きだったんですよね。みんなのウェディングに入るまでは趣味の一環で資格を取っていたのが、みんなのウェディングに入ってからは業務として必要になったこともあってウェディングプランナー資格を取得して、まさに自分自身がリスキリングを経験することになったのがこの時のキャリアでした。
ウェディングプランナーの資格も取っていたとは、酒井さんのバイタリティーが炸裂していますね。3社目のキャリアの起点が先輩とのご縁、人材エージェントを通じて始まったというのも2社目との大きな違いでしたよね。
そうですね、1回目のキャリアチェンジでは自分で選んだ会社、職種に応募をしましたが、2回目のキャリアチェンジでは私という人を理解してもらった上で人から提案されたキャリアにチャレンジしたというのが大きな違いでしたね。提案されたものに挑戦をしたことで、3社目のキャリアでは自分でも気づかなかった得意なことを発見できたり、やりたかったことに挑戦をする機会をたくさんいただきました。
ありがとうございます。では、次の4社目に繋がるキャリアチェンジの経緯を教えてください。
その後、Bridealが事業売却をされたので同じ社内で広報、IR、社長秘書を経験させていただきました。これもとても貴重な経験だったのですが、「やっぱり新規事業がやりたいです!」って、社長に文句を言ったんです(笑)
そこでまたウェディングドレスの新規事業を立ち上げ、その事業がマネタイズできる状態になった頃に会社として方向性が変わるタイミングがありました。会社にそのまま残るという選択肢もありましたが、自分の中ではそろそろ違う経験値を積みたいと考えていたので、いくつかお誘いを頂いた中で株式会社NewsTVという動画広告の会社に転職をしました。
3回目のキャリアチェンジ、2018年でしたね。
僕もその頃は酒井さんと同じ会社にいたけれど、こうして改めて聞くと知らなかったキャリア背景がたくさんあって面白いですね。自分で立ち上げた新規事業がマネタイズできる状態になった頃にキャリアチェンジを考えたのは、どのような背景があるのですか?
みんなのウェディングで最後に立ち上げたウェディングドレスの新規事業は、当時の会長の直下で1対1でやらせていただいて、彼から受けた刺激がものすごく大きかったんです。経営視点のビジネスのいろはを改めて叩き込んでいただいた新規事業立ち上げからの1年間の経験が濃すぎて、これと同じ刺激を受け続けられるかと考えた時にはゼロイチの立ち上げフェーズを超えて事業がマネタイズして落ち着き、私ではなくても運営ができる状態になっていました。その時に、またゼロイチに近いフェーズを経験したいと思い、ビジネルモデルとして新しいチャレンジをしているNewsTVに転職を決めたんです。
その1年の濃い経験に近い経験をもっと積みたいと思ったのですね。4社目のNewsTVでは広報IRを担当されていましたが、なぜ広報IRを選んだのですか?
みんなのウェディングでIRを経験したことが大きなきっかけの一つでもあります。新規事業を含めたIR以外の仕事では、事業に集中するあまり視野が狭くなっていたのですが、IRを経験することで会社経営や、経済などの広い視点でビジネスを知ることがとても面白かったんです。それまでも世の中に興味関心はありましたが、世の中ってこうやって回っているんだなということが自分の経験とリンクして解ってきた感覚がして。そこで、決算の情報などの深い情報に触れてみたいという思いから、広報IRという仕事を選んだ理由です。
4社目のNewsTVもベクトルグループの中の勢いのある会社ですよね。この頃から、酒井さんは「NewsTVの酒井葉子」よりも、個人としての酒井葉子としての活動も増えてきた印象があるけど、そこでのキャリアや当時考えていたことなどもお話しください。
4社目のNewsTVでも新しいものに触れていたいという気持ちもあって入社しましたが、実はもう一つ、学び増し・積み増しをしたいという想いがあったんです。
はい。もう一度2社目のグリーと同じ広告業界ということにもすごく面白さを感じたんです。
広告業界は数日、数ヶ月単位でどんどん新しい技術や商材が出てくる変化の速い業界なので、私がグリーにいた頃とは全然違う状態になっていたことに驚きました。でも、その中でグリーで経験したことがベースとしてあるので、ちょっとだけわかる状態で新しい刺激や経験を積み増していくというところが惹かれたポイントでもありました。
NewsTVには広報IRとして入社をしましたが、実はマーケティング業務の比重が大きく、入社直後からWEB CMを作ったり、リード獲得や展示会に出展するような仕事をしていました。結果、NewsTVでは広報とマーケティングを大きく経験させて頂きましたね。また、個人的にも副業でカンファレンスの司会などを担当させて頂くなど、個人名で表に出ることが多くなったのもこの頃からですね。
最初に期待されている役割が途中で変わるというのは、特にスタートアップには多いことですよね。
そうですね。実は2社目のグリーでも広告営業で入社をして2年目にはマーケティングに異動になり、入社時の希望とは異なるポジションに就くというのを経験していたんです。私自身は会社が新しくて面白いチャレンジをしようとしているときに必要な役割を巻き取りにいくということに全くストレスがないんです。20代の頃は、私がやっても良いんですかって、少し物怖じをするような時期もありましたが、基本的にはせっかくやれって言ってくれてるんだからやっておこうかな、という気持ちでいますね(笑)チャレンジに対するハードルを低く保っているので、NewsTVでも予想外の楽しい経験をさせていただいたと感じています。
めまぐるしく変わる外部環境の変化に合わせて自分自身もしなやかに生きていく。これは今の時代のキャリア構築において誰にでも起こりうることなので、とてもヒントになりますね。
では最後に、5社目である現在所属しているグロースXへのキャリアチェンジについてお話しを聞きたいと思います。今年の2月にグロースXでのキャリアがスタートし始めた酒井さんですが、このタイミングで4回目のキャリアチェンジに踏み出そうとした理由はどのようなものだったのですか?
少し悲しいお話しになりますが、2022年の夏に母方の祖父が亡くなったんです。私自身、身近な人の死を経験するのが20年ぶりで、おじいちゃんという身近な存在が亡くなったことで改めて、ああ、人っていつか死ぬんだなって実感したんです。自分の人生にも限りがあるということを感じた上で、挑戦できる機会を選べる状況ならそこに身を投じてみようと思ったことが大きなきっかけでした。
前職のNewsTVでは役職もあったので、一般的には安定を手放すということになるのかもしれませんが、祖父の死から人生を余すことなく挑戦に投じていきたいという想いが強くなり、自分の中ではひっかかりも無くキャリアチェンジを選ぶことができました。
40歳前後になると祖父母は80代や90代、両親も60代や70代になっているので身近な人の死に直面する方も多くなってきますよね。そういった意味で自分のライフステージの変化を感じさせられる年代なんだなと思います。
あともう一つ、私自身が自分自身の居場所を変えることに抵抗がないというのも大きなポイントかもしれません。35歳転職限界説みたいな一般論がありますが、私が前職で関わっていた先輩方がここ1-2年で転職するケースも増えてきているので、キャリアにも寄るかもしれませんが年齢=チャンスが少ないという図式ではなくなってきているように感じます。
本当にその通りだと思います。30代40代の転職数もデータとして増えてきていますが、まずは自分自身が環境の変化に対して抵抗がないということも大切なポイントですね。
それでは、現在のグロースXでのお仕事とこれからのビジョンについてお話しください。
現在はグロースXでマーケティング・広報・コミュニティマネージャーとしてお仕事をしています。
先ほどからリスキリングについて何度かお話しをしておりますが、実は私個人的にはリスキリングという言葉はあまり好きではないんです。リスキリングを日本語にすると学び直しという言葉になりますが、学び直しというと今までの経験を否定するような感覚があるんです。私は、今までをゼロにするのではなく、今まで作り上げてきたものの上に学びを積み足し重ねていくということの利点をグロースXで提供していきたいと思っています。
実際に経営企画室など、経営層の方から組織や戦略人事の文脈でご相談をいただくことが多いのですが、グロースXのサービス提供を通じてそれぞれのメンバーのスキルもあがり、一人ひとりの人生をより良いものにした結果、会社としても良い組織になって業績が上がっていくような流れを創っていきたいと思っています。
素晴らしいですね。1社目の人材会社からスタートして酒井さんご自身もリスキリングを経験し、事業立ち上げから経営目線でビジネスを学んだことなど、今までのキャリアが全て繋がっていますね。まさに「学びの積み足し」をご自身で実践しつづけているように思います。変化の多い時代において、自分の生きてきたキャリアを余すことなく繋げて新たな挑戦に立ち向かうヒントをたくさんいただきました。
酒井さんのTwitterでは#ノースリーブマーケター でとても面白い発信をされているので皆さんもぜひご覧くださいね。
酒井さん、ありがとうございました。