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国の調査を超える本気の家族調査 最高の利用方法に迫る

キッカケトーク

2023.05.08

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こどもの未来トークでは、育休や子育て、ワークライフバランスなど、毎回さまざまなゲストをお招きして子育てを取り巻くさまざまなテーマで議論をしております。
今回はコネヒト株式会社代表取締役の高橋恭文さんをゲストにお迎えして全国一万人に調査をおこなった「2020年家族に関する全国調査」についてトークをいたしました。

ゲストプロフィール

ゲストプロフィール

高橋恭文(たかはしやすふみ)
生活者向け事業の事業家・社会起業家
コネヒト株式会社 代表取締役

<経歴>
2001-2009 アルバイトタイムス
労働・就労・ダイバーシティ・ワークライフコンフリクト領域事業

2009-2013 カカクコム(食べログ)
外食産業・観光産業の活性化

2014-2018 Retty
外食産業・観光産業の活性化、インバウンド・アウトバウンド・地方創生

2018-現在コネヒト
家族というテーマの事業化と希望出生数と予定出生数のGAP解消
ダイバーシティ・男女共同参画・ウェルビーイング、地域SDGs家族
ホストプロフィール

ホストプロフィール

千葉 祐大
子育て支援事業家
こどもの未来株式会社 代表取締役会長
2児の娘のパパ。「子育て支援事業」をライフワークとしており、「ベビーテック」「子育てコミュニティ」「男性育休推進」等をキーワードに活動。3つの会社の経営に携わりながらプライベートでは、「日本愛妻家協会」や「一般社団法人Papa to Children(PtoC)」等、複数のコミュニティに所属。育児セラピスト1級の認定講師でもある。

1. 行政での市長選出馬か民間での地域貢献か

1-1 食べログからRettyそしてコネヒトへ

千葉:本日のゲストはコネヒト株式会社代表の高橋さんです。髙橋さんは僕自身の学生時代の大先輩で、頭があがらないのですが・・・本日はどうぞよろしくお願い致します。

高橋:千葉さんとは、僕の最初の職歴でもあるアルバイトタイムスの時の同僚で、長い付き合いをさせていただいております。現在はコネヒト株式会社の代表を務めております。僕は静岡沼津の出身で常々地域のコミュニティに貢献したいと考えているような人間でした。そのため学生時代は静岡市長になるという夢があり行政学を学んでいました。そのうち、政治の道や官僚の道よりも民間企業として生活者向けの事業をやりたいという思いが膨らみ初めて。
20代は就労領域やHRの領域、30代では食べログの創業期とRettyの創業期から携わり、ローカルビジネスをどう活性化し人を呼び込んでいくか、という地方創生に奮闘していました。
40代の現在は、家族像に関する調査による様々なデータを取り扱うコネヒト株式会社で代表を務めさせていただいております。結局、ライフスタイル領域が好きなんですよね。

1-2 雇用を作るより地域で望まれるもの

千葉:素敵ですね。結局、静岡市長選は出馬されなかったんですか?

高橋:そうですね(笑)。自分がすごく勘違いをしていることに気づいたんです。地元の静岡に話を聞きに行きに行った際に、若い人ほど実は「”変わらない道”を望んでいた」ということを現実で見て、「雇用を作ろう」と産業や何か世の中を便利にする仕組み作りを考えていた自分と大きなズレを感じたんです。

千葉: 変わらないことを求められている。つまり「安心・安全」ということでしょうか?

高橋:そうですね。「日常であること」が大切というか。自分が「上から目前」であったことを猛省しました。政治という国や行政の仕組みを使って対象の地域に当てはめるという形式的な動きをしようとしていた自分が恥ずかしくなり、出馬はやめました。逆に民間企業で、地域貢献をしたい、地域の人が大切に誇りに思っている当たり前の日常を守るために何ができるのか、を考えるようになったんです。そして「家族」という「子育て」のテーマに行き着きました。

千葉: 素晴らしいですね。感動しました。今まで多くの方々に「家族」や「子育て」というテーマでお話を伺ってきて共感することが何度もあったのですが、こうした「地元愛」を感じたのは初めてかもしれません。

2. 国の調査を超える全国調査データ

2-1 2020年家族に関する全国調査

千葉:ここでコネヒト株式会社で出されている調査データについてお話を伺ってもよろしいでしょうか?

高橋:まずご覧いただきたいのは2021/2/4にプレスリリースした調査結果で「2020年家族に関する全国調査」報告です。これは全国1万人にアンケートを実施した調査結果となります。
https://connehito.com/news/nationalfamilysurvey-2020/
(2021/2/4 コネヒト株式会社 全国1万人に聞く家族の実態)

千葉: 膨大なデータですよね。この調査実施のきっかけについて教えてください。

2-2 130万件!ママの本音アンケート結果

高橋: まず背景としてコネヒトのサービスの1つ”mamari”というママ向けのアプリサービスがあるんです。このアプリはママ達の集声力だと思っています。このアプリ内では妊娠中のママからお子様が2歳くらいの先輩ママさん達にご登録いただいており、ここで毎日130万件ほどの悩み相談やお互いの報告等様々な会話が繰り広げられているんです。検索機能も充実しており、検索数は560万件にも上ります。そのため一番ママの本音を知っている会社だろうと確信していますね。

高橋:「少子化を解決する企業になりたい」という想いからそうしたサービスをする企業だと以前は捉えていたのですが、なんか違うなと。この違和感からビジョンを「家族像とは何か」にシフトチェンジし具体化しようとした際、世間のリアルの声を聞いてみようと思ったのがきっかけでした。国の調査レベルだと5年に1度の調査となるのでそれだとかなりタイムラグがある。ならば自分たちで新鮮な声を集めよう、と。初めは消費動向調査と同じことを質問し、その後2割増し程度まで引き上げてさらにアンケートの母数を作ったというような形です。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/menu_shouhi.html
(内閣府 消費行動調査)

千葉: 国の調査を超えるアンケート結果が集まるのは本当に脱帽です。これはやはり、リアルなママ達の想いが詰まっていて「本気のアンケート結果」ということですよね。

高橋:そうですね。ノンインセンティブでアンケートにお答えいただいているため、ご協力いただいた方々には本当に感謝しています。また、5年に1回では拾いきれないデータ、例えば近年のコロナ禍や男性育休などトレンドワードが世論を動かした際にしっかりキャッチアップでき、国の標本層以上の数字になるというメリットがあります。そして一番は私たちの企業のためのデータではなく、皆さんで使っていただきたい、企業活動や国にも使っていただきたいということなんです。

千葉:5年に1度のデータってなんで5年なんだろうとはずっと疑問に思っていました。

2-3 国にも民間企業にも届けるべき情報

高橋: 統計的なものは5年でいいと思うのですが、仮説検証のためには質問内容も細分化し、期間も短期で複数回にわたる方が良いだろうと思うんです。統計的に網羅性がなくても、聞くべき内容はたくさんある。それを井戸端管理人的な立ち位置で国のスキームではどうしようもないところを拾っていく。最終ゴールは暮らしやすくするために、ですね。

千葉:他のデータについてもぜひご紹介ください。

3. 希望出生数と予定出生数との乖離

3-1 調査との相関関係にある4要因とは

高橋:子供の数で言えば理想の子供の数である「希望出生数」という数字があるんですが、これが最新ですと2.14を超えているんですね。これに対して「予定出生数」という国の調査数値でいうと2.01という結果があるんです。実際の出生数は1.41を切る、と。

千葉:面白いデータ結果ですね。かなり乖離があるんですね。

高橋:理想と予定にギャップがあるのは勿体無い、と捉えています。 ここで理想の子供数を持たない理由を調査したところ、4つの要因があることがわかったんです。

【4つの要因】
1、経済的理由:家計の悩み
2、年齢・身体的理由:不妊の悩み
3、育児負担理由:育児の悩み
4、環境理由:社会に対する悩み


高橋: 1番の経済的理由により悩みは、4番目の社会に対する悩みにも通じるところがあるのですが、やっぱりお金の悩みですよね。どうやってお金と仲間を増やしていくか、という。リスキングの普及が課題となってくる。


https://connehito.com/news/reskilling3/
(2023/3/8 コネヒト 子育て世代の6人に1人がリスキング実施中)
https://connehito.com/news/reskilling4/
(2023/3/13 コネヒト 非正規雇用者の4割が「スキルやキャリアの棚卸し」を実施)


また、不妊治療の保険適用ができたからといって社会的には通院を理由に公に勤務時間調整を申請できるかというとそれも難しい問題がある。だからこそこの4つの要因の解決は横断的に民間がやっていくことの意義でもあると考えています。

3-2 コロナ禍での出産控えの実態

千葉:僕は出生率は上げられると思っているんですが高橋さんはどう考えられますか?

高橋:実はこれは意外なデータなのですが、実際にコロナ禍で出産を控えて家族計画を立てていこうと考えた家族はわずか2割なんです。この数字は国の統計ではわからない数字です。
https://connehito.com/news/nationalfamilysurvey-2021-1/
(2022/2/10 2割の家族がコロナ禍で産に控え〜少子化の原因調査を発表〜)


千葉:実際の家族のリアル像が数字に表れるんですね!国のデータは結果だけなので思考レベルでの数字がわかるのは面白いですね。

4. 世帯年収からみる”贅沢”格差

4-1 食費予算からではなく限度額で

高橋:先程の4要因での最初の項目でもあったお金の問題では、やっぱり家族の財布問題ですね。世帯年収別統計を取っているのですが食費をどれくらい使うのか、という”予算”で考えるのではなく、どれくらい使ったら“贅沢”と認識するのか、という軸で調査したんです。


千葉:それは珍しい切り口ですね!”予算”ではなく“贅沢”の感覚値ですね。


高橋:はい。実際に使っている額ではなく、ここまで使ったら贅沢と感じる各家庭の”ボーダーライン”ですね。
https://connehito.com/news/nationalfamilysurvey-2021-2/
(2022/3/3 世帯食費の堅実派―贅沢派の分岐点は月5〜7万円と判明)


千葉:面白いデータですね。生活にまつわるデータで他にはどういったものがありますか?

4-2 日用品男女別購入から共同購入へ

高橋:日用品の買い物という視点がありますね。これはどちらか(特に妻側)が買うのではなくお互いが買う、そして性別で分けず日用品を共有する、という視点があります。夫婦2人で協力して家庭・家計のことを決めていき共同作業として家のことを行うという傾向が3割に出ている、というデータとなります。

5. コネヒトが運営するアプリ“mamari”

5-1 コネヒト流アンケート取得方法

千葉:たくさんのアンケート結果をありがとうございました。こうした沢山のデータはどのように取られているのかお伺いしてもよろしいですか?

高橋:”mamari”アプリ内や関連SNSから、さらにが広告運用によるの外部取得ですね。内容としては主に30分くらいかかるGoogleホームのアンケート質問になります。

千葉:色々なチャネルからの取得をされているんですね。

5-2 行政との関係性をどう作っていくか

千葉:最後に行政との関係の作り方をどうしていく予定か、お伺いさせていください。

高橋:一般的に、行政にお声がけするのはハードルが高いイメージがあります。だからこそ、自らアクションをとっていくということが重要だと思っています。実際はご担当者にお話しさせていただくと、丁寧に打ち合わせをしていただけることがある。そういう意味ではもっと皆様から、こんなデータが欲しい、こういう統計をとってほしいなどどんどんご意見いただけると、行政にとっても信憑性と信頼性が高く、需要が高いデータとなると考えています。民間だけでなく国にも有益な情報をお渡しして日本全体で貴重なデータを共有していき、未来をさらに良くしていくことに繋がっていくと信じています。


千葉:素晴らしいですね。今日は貴重なお話と沢山のデータを拝見させていただき、ありがとうございました。

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