千葉:「赤ちゃんと一緒に働ける社会を。」ということをテーマに掲げたときのイメージを教えてください。
青木:まずお伝えしたいことは「物理的な距離ではない」ということですね。気持ちの中で仕事とプライベートを分断することをなくしていきたいと思っているんです。もちろん、いつでも全てがこどもと一緒ということは難しい場面もあるとは思います。事実として生じることもあることは想定されるので、その際はベビーシッターさんや一時保育利用など臨機応変に対応する。「こどもと自分の世界」「仕事と私の世界」という、分断された自分像をなくしていきたい想いが強くありますね。
千葉:自治体の例では、愛知県で全国で初めて“子連れ出勤”の取り組みを行ったというニュースがありました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/530334547924a8c7a24b8a4483246198c1763b5c
(2023/04/04 20:00配信Yahoo!ニュース 「全国の自治体で初”子連れ出勤”OKの市役所」)
https://mainichi.jp/articles/20230216/k00/00m/040/227000c
(2023/02/16 18:21毎日新聞 「職員のいずれ出勤 愛知・豊明市が試験実施」)
青木:”子連れ出勤”というワード自体が良いイメージがないのかもしれませんね。社会の厳しさや、個々の立ち位置や環境でさまざまな解釈や意見が出てくるのではないでしょうか。ただ、「出来ない」としてしまうと、そこから先へは何も進めなくなってしまう。だからこそ、できる人から、できる環境にいる人からやってみる、というスタンスが大切なんだと思います。
千葉:この愛知県豊明市の市役所事例では、パパさんのお話なんですよね。それが素晴らしいと感じました。「ワークwithチャイルド」愛称は“ワチャ”。職場の中でこどもがワチャワチャ過ごしてもいいよ、ということからの愛称のようです。自分の席の近くで子供の世話をする他、子供と一緒に専用の部屋で過ごすこともでき、仕事は持ち出し専用のPCを使って仕事をする。豊明市の子育て支援課のインタビューでは、「可能であれば一度こどもを連れてきてもらい、試験実施なので意見を教えてほしい」と、村松清子課長がおっしゃられていますね。
青木:この取り組みは素晴らしいですよね。また、こどもがパパ、ママの仕事をしている姿が見られるのもすごく良いとも思いますし、実際に「ママの仕事をしているところが見れて良かった」という8歳の男の子のご意見もあるようですね。親の仕事に対する理解がこどものなかで自分なりに生まれるのは、将来的にも意味がある行為になるのではないかと期待しています。
日本おひるねアート協会 代表理事
16歳長女,10歳長男,4歳次女の3児の母。
長男の誕生以来、おひるねアートを趣味で撮り始め、ブログ開設後わずか4ヶ月で初の写真集「赤ちゃんのおひるねアート」を主婦の友社より出版。
TVCMや雑誌広告の作品制作を手がけたのち、2013年に日本おひるねアート協会を設立。
全国約600名のママ講師を輩出し、年間5万人の赤ちゃんを撮影する。
当初より子連れで仕事を行うスタイルを貫き、子育ては人生のスキルとして13年子連れ出勤を実践。
『赤ちゃんと一緒に働ける』環境の提案に力を入れている。
《著書》
「赤ちゃんのおひるねアート」主婦の友社
「おひるねアート」宝島社
「おひるねアート撮影術」小学館